宇梶剛士さん作・演出舞台『永遠ノ矢〜トワノアイ』の上演記録映画

宇梶剛士さんが作・演出を務めた舞台『永遠ノ矢〜トワノアイ』の上演記録映画が2023年2月25日(土)~3月3日(金)まで、大阪十三にて上映中です。(釧路で行われた舞台の上演記録)
上映時間やチケットについては下記よりご確認ください。
シアターセブン

宇梶剛士が問う、アイヌとは――

宇梶剛士主宰の劇団PATHOS PACK(パトスパック)による舞台「永遠ノ矢=トワノアイ」は、宇梶が作・演出を務め、自身のルーツのひとつである北海道、そしてアイヌをテーマに描かれています。
遠い昔より北の大地で紡がれてきた先人たちの思いを受け、現代を生きる青年の成長物語です。タイトルの“アイ”は、アイヌ語で“矢”を意味する言葉。2019年東京(高円寺)での初演では、1週間という短い期間に2000人近い観客数を記録しました。多くのアイヌ関係者から寄せられた北海道での上演希望の声を受け、札幌をはじめ道内7か所で企画されましたが、2021年夏、コロナ禍の影響で釧路・平取・北見の3か所のみ公演が行われました。この戯曲の上演を楽しみにしていた方のため、またより多くの北海道の方たちに届けるために、映画版『永遠ノ矢(トワノアイ)』を製作。本作は、2021年7月1日釧路にて行われた舞台の上演記録です。

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宇梶さんの事務所の方にお誘いいただき、25日に拝見してまいりました。
家族とは?人としてのアイデンティティとは?を考えさせられる内容でした。

都会で家族と暮らす25歳の次男(海)を中心に織りなす物語で、アイヌという自身のルーツを突然知ったとまどいの中、アイヌを知り、アイヌとして生きようとする仲間と出会い、アイヌ文化の素晴らしさや、悲しい歴史、今も残るという差別について知っていきます。

都会からやってきたばかりの海や、悪意の無い無知でアイヌの尊厳を踏みにじる観光客は、過去や状況も知ろうとしない、興味本位でしかアイヌを知らない人々のステレオタイプとして描かれていて、自分を振り返ってどうだろうか、と心に問いかけられているように感じました。

そして先祖代々受け継がれてきた矢筒について考え続ける長男・一矢の物語も並行して進みます。
自分たちの先祖、弓の名手・イソンクルが、敵の将を射ずに、矢を捨て姿を消したというのはなぜなのか。

「意味がわからない」「難しいです」など日常的に使っている言葉について、宇梶さん演じる”とわじい”は「考えろ」と言います。
便利な言葉ですが、考えることを避けているだけでしょ?とこれまた突き付けられた気がしました。

考える、考える為に知ろうとする。その大切さを知ることのできる舞台(の上演記録映画)でした。

舞台挨拶では、宇梶さんと、一矢を演じた岩戸秀年さんが登壇されました。
宇梶さんの存在感と、ワイルドな一矢を演じた岩戸さんのシャイで透明感のある雰囲気にびっくりしました。
俳優さんってすごいですね。

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宇梶さんのご講演は熱くてとても好評です。
是非来年度の企画に取り入れてみてください。
お問い合わせは、日本綜合経営協会 大阪本部 まで!お待ちしています。